滝川から、市道を行く
年越し宗谷2日目は滝川市のホテルスエヒロから旭川を目指します。
大通りは自動車が多く、歩行者がどんどん減っていく
前日は国道12号を走行しましたが自動車は少なくなく、車道の走行は快適ではありません。
一方で歩道も歩行者が少ないため、踏み固められないので走行しにくいという問題がありました。
所詮、車輪の乗物は車道を走るのが楽しい
自転車も車輪による摩擦の軽減で軽い力で転がれます。それゆえ、新雪が積もっているよりは、除雪されたり圧雪になって硬い路面がある方が走りやすいのです。
国道を外れて裏道を行く
そのため滝川の市街地を抜けるタイミングで、国道から東に1本入った市道に入りました。
早朝に除雪された道が真っ直ぐに北の方に伸びています。交通量も国道とは比較にならないくらい少ないです。
Googleマップで確認して建物が存在するから除雪されているだろう、という読みが当たりました。
走り出すと天気が良くなり、家々は少なくなり、やがて雪原の中を私一人が走っている状態になりました。
青空と白の世界_
聞こえるのは、自転車が雪を踏みしめる音と、自身の息遣いだけ_
この美しい世界の只中にいるという現実に興奮します。
立ち止まることも忘れ、ひたすらに進み続けました。
妹背牛駅に立ち寄る
市道と道道を乗り継ぎながら私は妹背牛駅を目指していました。
特急列車の高速通過駅として有名
単純に旭川を目指すだけなら遠回りなのですが、鉄道好きの間では有名な駅なのです。
それは通過する特急列車の速度が速く、巻き上げる雪煙が凄まじいことが知られていたので、それを見に行くことにしました。
滝川出た直後より晴れが続いていましたが段々と天気は下り坂になっていました。
妹背牛のセイコーマートでお昼ご飯を購入して駅に向かうと曇り空になっていました。
来年はIC利用可能になる小さくない駅だった
妹背牛駅は無人駅でしたが、駅周辺に集合住宅もあり、中心街も近かったです。もっと寂れた場所だと想像していただけに意外でした。
待合室には暖房もついており、買ってきた食事をしながら通過する列車を待ちます。
札幌方面行き列車通過5分前に跨線橋を渡り、動画撮影を始めました。
昼頃晴れていた空はだんだんと曇りがちになり、雪が強くなっていきました。
遠くにヘッドライトが見え、猛然と緑色の電車が走ってきます。
JR北海道789系電車、かつて本州と北海道を結んだ高速特急は、新幹線に立場を譲り現在は札幌~旭川の地域間輸送を行っています。
深川駅を発車し、ここ妹背牛は次の停車駅の滝川までのちょうど中間点になります。
営業速度の130km/hに迫る速度だったでしょう。
雪煙を上げながらプラットフォーム脇を走り抜けていきました。
厳しい冬の北海道を象徴する光景を見ることができ満足して次の駅へ向かいました。
深川から輪行
妹背牛で振り始めた雪は深川に近づくにつれて強くなっていきました。
この時点で深川から輪行することを決めていました。
旭川に自転車で入る方法が限られる
石狩平野から旭川に入る方法はあまり多くはありません。
夏場であればこのまま国道12号線沿いに進み、神居古潭のサイクリングロードを進むのが一般的ですが、冬季閉鎖されており押して歩くのも現実的ではありません。
国道12号は自転車の通行が禁止になっているトンネルがあるので通れません(一部参加者は強行突破してめちゃくちゃ叱られたらしいと後で知ることになる)。
もっと手前の滝川で富良野を経由するか、幌加内の峠を越え士別へ抜けるかしかないのです。
天気が暗転、列車が遅れ始める
深川に到着した時にはなかなかに強烈な降りになっていました。
その影響か列車に遅れが見られます。おそらく折り返しの特急列車が数分の遅れを出しているのでしょう。
普通列車も10分ほど遅れて到着し、真っ白な世界の中を旭川に走っていきました。
旭川に到着するも…
列車は長いトンネルを抜けると、本日の宿のある旭川の街に入ります。
車窓から街を眺めると、人々が疲れたように除雪しているように見えました。
雪になれているはずの人たちなのになぜ_
その疑問の答え合わせはすぐに行われるのでした。
駅前での一コマ
旭川駅に到着して改札を出て自転車を組み立てていると、一人のご婦人に声をかけられました。
「除雪されていれば楽しそうね」
札幌で1年以上このファットバイクに乗ってきましたが、雪が多すぎて走れないという経験はありませんでした。
このご婦人はいったい何を言っているんだろう。そう感じながら私は宿に向けて走り出したのでした。
歩道の雪の量がおかしい
ロードヒーティングのエリアを抜けた時、ご婦人の言葉の意味を知りました。
歩道は人一人が歩けるだけのシングルトラックになっており、その脇は30cm以上積みあがった雪が残っていました。
雪国において夕方時点でこの積雪があるというのは異常事態です。
懸命にファットバイクで進もうとしますが、うず高い雪壁が荷物を擦りバランスを崩しトラックを外れることを繰り返していました。
私は乗ることを諦め押して歩いて大通りを進みました。
裏道が自動車すら走れない積もり方
2㎞弱歩道を歩いてきたので、裏道に入り走ろうと試みましたが、ここも軒並み30cmの積雪で、轍がところどころ深くなっていました。
ちょうど帰宅ラッシュの時間なので帰ってきた車が駐車場の除雪のために路上駐車をしており、混雑に拍車をかけている状況でした。
都市が埋もれていく
本日の宿はプラトンホテルでした。
チェックインするときに管理人さんに聞いてみると、旭川は朝から今までずっと降り続けたということでした。
恐らく朝に一度除雪は来ていて、幹線道路は日中も何回か除雪がされたのでしょうが、トータルで30cm以上積雪したために、都市が埋もれてしまったようでした。
夕食を買いに行くのは徒歩にしました。
交差点で信号待ちをしていると車が全く動かないことに気づきます。十字路のどの方向にも車が詰まってしまっており、信号が1ルーティン切り替わっても同じ車がそこにいるという状況でした。
買い物から帰ってくると、タクシーがホテルの前でスタックしていました。
周辺の住民の人と協力して救助しましたが、なんという日にここにきてしまったのか、と戦慄していました。
雪になれているはずの地元ドライバーが動けなくなっているのですから相当なものです。
災害級の雪を目の当たりにし、翌日は輪行で名寄に抜けることに決めたのでした。
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