先日の折り畳み自転車の紹介記事に、質問をいくつかいただいたので回答していこうと思います。
今回の質問は「(折り畳み自転車で一般に使われているような)小さいタイヤ(ホイール)だとパンクしやすいのではないか?」というものです。
パンクのしやすさは特に変わりはありませんが…
よくある質問ですね。ホイールサイズ24インチ以下の車両(以下、ミニベロ・小径車)だからパンクしやすい、遅いと言うイメージがあるようです。
しかしながら、パンクのしやすさに特に変わりはありません。
しかしながら小径車だからこその注意点があることも事実です。
パンクの主な原因は、空気圧と異物
まず、パンクの原因というのは大きく分けて二つあります。
一つは空気圧の低下によるもの、もう一つは異物による急激なダメージです。
異物によるものはどちらも起こりうるもので、大差ないです。
空気圧の低下について(リム打ち)
空気圧が低すぎるとタイヤの扁平率が高まり、カーブや段差などで変形が大きくなり、チューブとタイヤやチューブ同士で摩擦が生じたときにチューブが破裂してパンクが起きます。
こういったパンクの中でもホイールのリム(タイヤをはめている中央の輪の部分)が地面を打つくらいに変形してしまうことをリム打ちといい、パンクの大きな原因となっています。
そのため、小径車であろうと、それ以外であろうと適切に空気が入っていればパンクはしにくいです。
空気圧の時間当たりの変化は、小径車のほうが大きい
しかし、タイヤサイズ、もといチューブのサイズに応じて変化するものがあります。
それは中に入っている空気の総量です。同じ空気圧にしたときでも大きいチューブのほうが空気の量は多いです。
チューブに入れた空気というのはバルブから徐々に抜けていきます。それはチューブサイズの大小に関係なくです。
そのため、小径車のほうが空気圧が変化する時間量が多いため、気が付くとタイヤが柔らかくなっているという場合が増えます。
低圧パンクを防ぐために空気を入れる頻度が上がる、気をつけなければ行けないというのはデメリットの一つでしょう。
路面状況に合わせたコントロールは特に注意(特に段差)
車輪というものはその構造上、直径の1/4を超える段差についてはどんなに力を加えても越えることができません。
つまり、車輪径が大きいほど大きな段差を越えられるということになります。
よって、27インチや700cより小さい小径車というのは段差に比較的弱いということになります。
また同じ高さの段差を越えるときにもより負荷がかかっているということは間違いありません。
そういった観点から、自分の自転車の能力を判断して速度を加減したり、段差の小さい場所を選んで走ったりすることで、タイヤやチューブ、リム、機体そのものを保護する観点は必要になってきます。
特に、折り畳み自転車に関しては、その折り畳み機構そのものが構造的には弱点なので、荒れ地等を走れる自転車は数えるほどしかありません。
それでも有り余る、小径折り畳み自転車の魅力
問題点や注意点をいくつか書きましたが、それを補ってあまりあるメリットや機能が折りたたみ自転車には存在します。
小さく折り畳めるので自宅などでの収納が楽
メーカーや機構にもよりますが、ものによっては折りたたみサイズがオフィスデスクの下に入るくらいのものもあります。
これくらいのサイズ感ですと、屋内保管していてもどこかしらの隙間に入ることができるので、駐輪場のない会社や自宅でも圧迫されることが少ないです。
屋内保管ですと紫外線の影響も受けにくく各パーツの劣化も少ないので長持ちしますね。
自走できないトラブルになっても折りたたんで対処できる
旅行先や通勤途中に、自分で対処できないくらいのトラブルになってしまったとしましょう。パンクしたけど道具がない、交通事故でブレーキが壊れた等々、その瞬間に自転車は重荷に変わります。
普通の自転車であれば押して歩いて、近くの修理店まで持っていかなければならない場合がほとんどです。
しかし、小径折りたたみ自転車はコンパクトに折り畳めるので、他の交通機関や自動車に載せて移動することも容易です。
ストップアンドゴーに強い
自転車というのは慣性の乗り物です。脚力がホイールを回し、それらが慣性の法則に従ってすぐに止まること無く回り続けるので快適に走ることができます。
車輪に関わってくるものとしては慣性モーメントというものがあります。これは回転する円の中心から外周までの距離(半径)が長いほど、そして外周部に重量があるほどに、慣性が働きやすい性質を持つというものです。
つまり、通常の自転車と比較すると小径車というのは慣性モーメントが小さく、慣性が働きにくいということになります。
漕ぎ始めるとすぐに回転が始まり、漕ぐのを止めるとすぐに止まるので、ストップアンドゴーに強く、信号や交差点の多い都市部では特に強みを発揮する場面は多いです。
いかがだったでしょうか。
小径車特有の注意点として、空気圧の管理をこまめに行ったり、路面状況に合わせた走行をすればそこまでパンクはしないというのはおわかりいただけたでしょうか。
また、折りたたみ自転車の大半が小径車というのも、その特徴を大きく活かすための構造ということにも多少触れてみました。
もし、記事を読んで折りたたみ自転車に興味を持ったという方がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
いつでも、相棒選びのサポートをさせていただきます。
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