折りたたみ自転車のススメ③〜輪行(りんこう)をしてみよう!

日常の先にある冒険

 この記事は、折りたたみ自転車のススメ②〜よい折りたたみ自転車の選び方の続きです。

 今回については、公共交通機関に自転車を乗せる輪行(りんこう)について書いていこうと思います。

輪行(りんこう)とは

フェリーによる輪行(BROMPTON P Line)

 輪行(りんこう)とは、自転車を折りたたんだり分解して、鉄道や航空機などの公共交通機関に持ち込んで移動することを言います。

 昔は競輪選手のみが認められた行為でしたが、今では一般の方向けのガイドラインが設けられ、週末に鉄道で見かける場面は多くなりました。

 折りたたんでコンパクトになる折りたたみ自転車は、分解しやすく作ってあるロードバイクと比べても、輪行によるメリットが得やすいので、できると便利です。

輪行のメリット

鉄道による輪行(STRiDA LT)

 次に、メリットについて書いていきます。

行動半径を広げられる

 自転車を自分で漕いでいるだけでは、時間的に体力的に限界があります。 

 しかし他の交通機関を組み合わせることで、比べ物にならないくらい遠くに行くことができます。

 組み合わせ方も、往復の片道だけ自走する方法、自宅から交通機関までの道のり、そして交通機関利用後の移動に使うなど、自由です。

 どのように使っても、徒歩と交通機関との組み合わせよりも行動範囲が広がります。

トラブルに強い

 輪行ができると、突然の自転車の故障や事故などのトラブルに見舞われても、他の手段でのリカバリーがしやすいです。

 体調が急遽崩れたりしたときも、タクシーなどに乗せて自宅まで帰ったりと、トラブルへの対応が楽になります。

自転車が相棒になる

 輪行を積極的に使い始めると、どこに行くにも自転車を使えるようになります。

 自宅から駅やバス停まで、輪行した駅の、その先の目的地へ。

 運送業界でよく言われる「ラストワンマイル」を手軽に埋めるのは、軽量な折りたたみ自転車であると私は考えています。

輪行に必要なもの

 もしここまで読んでくださって、ちょっと興味が出てきたという方は、何が必要なのかということが気になるはずです。私もそうでした。

 この項目では輪行に必要なものについて書いていこうと思います。

自転車

 当たり前ですが自転車がないと始まりません。どのような自転車でも輪行はできますが、やりやすい自転車と、やりにくい自転車は存在します。

 理由としては、交通機関によっては荷姿とサイズが規定される場合があり、自転車によっては非常に小さく分解しなければならないからです。

 そのような観点から言うと、折り畳み自転車は輪行に最適です。折り畳み機構の部分で折りたたむだけで輪行が可能なサイズになるからです。

輪行袋

 輪行袋(りんこうふくろ)とは、自転車を携行するための袋です。特に日本で発達した文化で、ほとんどの交通機関では「専用の袋」に自転車を入れることが求められますが、輪行袋のことを言っています。

 厚手の布地に太い肩紐がついて自転車を入れてもそのまま持ち運べるもの。

 自転車にバンドを括り付けて、袋の穴から出すことで方にぶら下げられるもの。

 キャスター付きのものなど、いろいろとあります。

 つくりが立派なものほどかさばるり、自転車に乗るときには邪魔になるので、用途に応じて選ぶとよいでしょう。

携帯空気入れ(工具)

 主に飛行機を利用する場合になるのですが…、飛行機は荷物室の気圧の関係から、タイヤの空気をすべて抜いてから乗せるよう指導する会社がほとんどです。

 そのため、空気入れがないと、飛行場等で探し回ったり、結局最寄りの自転車屋まで歩いたりタクシーを使うことになります。最低限空気が入るだけの小さいものでよいのであるとよいです。

 併せて、ちょっとした工具もあれば、自転車を組み立てて異常を発見したりしたときに対応できるのでお勧めです。

輪行をしてみよう

 さて、実際に輪行をするときについて、私のこれまでの経験に基づいて書いていこうと思います。

タクシーを使ってみる

 厳密には輪行ではないかもしれませんが、一番手軽で便利に利用できる交通機関だとおもいます。

 サイクリングをして、いつもより遠くまで来て疲れてしまったとき、タクシーを呼んで自転車ごと家まで運んでもらったりできます。

 大きめの買い物をして自転車に積載できない時にも使えます。

 輪行袋に入れるとドライバーの方の心象もよいでしょう。荷室が汚れないですからね。

鉄道を使ってみる

 輪行の発祥は、鉄道で競輪選手が自転車を運ぶことに起源をもつので、ほとんどの鉄道会社は輪行を許可しています。

 JRに関しては①折りたたむか分解すること、②専用の袋に入れること、③三辺の大きさが250cm以内であることをガイドラインにしており、ほとんどの鉄道会社はこれに倣っている感じです。

 実際、自転車との組み合わせは非常に相性が良く、徒歩だけでは駅から遠いと感じるところも自転車なら快適に向かうことができます。

 注意点としては、折り畳みでない自転車であれば特に、サイズが大きい荷物になるので運転台の後方や、多目的スペースが空いているなら利用することで、他の利用客とのトラブルにはなりにくいです。

 また、朝夕の混雑する時間帯はできる限り輪行は避けるべきでしょう。

飛行機を使ってみる

 飛行機は、サイズ規定や工具などの取り扱いが一番厳しいですが、輪行可能です。

 自転車が荷室に入れられるので、移動間にどのような振動や圧力にさらされているのか目視で確認できないことは怖く感じるかもしれません。

 特に注意するべきは、自転車のバッテリーを内蔵するライトはバッテリーの管理の問題から機内持ち込みをしなければならないこと、逆に工具は機内持ち込み不可です。空気入れは荷室に積めますが、空気入れ用のガス充填缶は飛行機に搭載不可能です。

 また、重量の制限も非常にシビアで、他の乗客との兼ね合いによっては拒否される可能性もあることは留意しておきましょう。

 とはいえ、一番高速に移動できる輪行のできる交通機関であることは間違いありません。

船舶を使ってみる

折りたたみ自転車は輪行袋に入れなくても良いことが多い

 船舶は輪行が一般に開放される以前から、旅人たちを運んできた実績があります。多くの自転車が北海道や大陸へ渡り、その逆も然りだったはずです。

 ロードバイクやランドナー(旅用の荷物を沢山運べる自転車)は、輪行をせずにフェリーなどでは自動車と同じ車両甲板に乗ることがほとんどです。この場合は、車両の運搬料金が、運賃の他に別途かかります。

 輪行だと運搬料金が生じない場合が結構あるのですが、特に折り畳み自転車の場合、袋に入れずに船室に持ち込んでも特に何も言われることもない場合が多いです。

 船舶は一番スペース的にゆとりがあり、自転車を運ぶという点では一番制約の少ない交通手段です。

バスを使ってみる

 バスについては、路線バスは特にですが、規約上は自転車の持ち込みを禁止しているバス会社のほうが多いです。しかし、折りたたんで輪行袋に入れた自転車を拒否するドライバーは見たことがありません。

 恐らく、規定そのものが自転車を折り畳まずに乗せることを想定しているからと思います。

 長距離バスになるほど、荷室への積載を許可する会社が増えてきますが、鉄道会社よりは輪行を許可しない会社の割合が多いです。

 また、輪行が予約制のところもままあります。

 鉄道のカバーできないエリアを走行し、夜行便も多いですが、輪行の可否は各会社に問い合わせる必要があります。

輪行で自転車生活をより豊かに!

 いかがだったでしょうか。整理してみると意外と簡単にできそうな気がしてきませんか。

 実際にやってみると重いと思っていた自転車を持っていくデメリットより、自宅を出てからどこまでも一緒に走れる楽しさが上回っていくと思います。

 自分自身の力を変換して速く走る姿は馬のようであり、折りたたんで店先やテーブル脇に小さく収まる姿は犬のようです。

 愛着のある道具と過ごす人生は幸せです。

 もし興味の出てきた方はぜひ挑戦してみてください。

 きっとよい人生が待っていますよ。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました